敬老の日に思い出すこと
そのおじいちゃんイヌは以前住んでいた宮崎台で
通勤の行き帰りによく出会った。

朝、夕のどちらかで街を散歩しているらしく
朝会う時もあったし、夕方の時もあった。

実はオスかどうか良く分かんないんだけど
夫婦の間ではオスと言う事になっていた。

そのおじいちゃんは眉毛がとても長い。
眉毛が長いといえば、村山元総理。ということで
私達夫婦は勝手にそのおじいちゃんを「村山君」と呼んでいた。
少し足を引きずっているんだけど、
その老齢からくる弱々しさにも、なんともいえない愛嬌を感じて、
ぴょこっ。ぴょこっ。と歩くその姿に、「頑張れ村山君!」と影ながら応援していた。
夫婦2人とも村山君の大ファンで、毎日出会うのを楽しみにしていた。




村山君の家は通勤路の途中にあった。
ハウスが留守だと
「散歩中なんじゃないの」とか、
ハウスにいると「お、いるよいるよ」と。
村山君の姿が見えたら「おぉ見えた見えた」と。
とにかく村山君をネタに愛情込めて楽しんでいた。

村山君は警戒心の強いイヌだった。
あんまり近づき過ぎると
あんなに弱々しい身体のどこにそんなに力が残っているのか、と
ビックリするくらい大きな声で吠えられる。
ハウスに村山君を見つけると、イヌ好きの妻がなんとか手なづけようと
その眉毛の奥のつぶらな瞳を見つめながらじりっじりっと近づく。
前足を投げ出して地面に密着したいつもの格好のまま「じろっ」と見ていた村山君は
ある距離になると突然過敏な反応をして敵意剥き出しだ。
でも老犬なので
「ワン!・・・・ワン!・・・・ワン!・・・」って感じで休み休みだ。あんまり恐くない。
でも大きな声がご近所迷惑なので、あぁ残念!逃げろっ!て感じで退散する。
何度チャレンジしても遂に手なづけられなかった。決して3m以内には近づけなかった。


村山君には散歩中の激しすぎる特徴があったので
姿が見えなくても私たちにはすぐに散歩中だと分かる。
なぜならば、下がもうゆるくなっている村山君のおしっこの跡が
電柱から電柱へ

_| ̄|_| ̄|_| ̄|_| ̄|_ ・・・ と、

うねうねうね~~って感じで
アスファルトの上に延々とジグザグ模様に描かれているのだ。
おしっこ垂らしつつ歩くのでこのうねうねが延々と。

すぐ分かる。うねうねうね~~で。
散歩中は、街中がこの「うねうねうね~~」だらけなのだ。

なんか、このうねうねを見つけるとうれしくってしょうがなくて、
「でた!散歩の証!」
「お!このおしっこの生々しさからすると敵は近いぞっ」とか
「少し乾いてきてる所を見ると、家で張ってたら来るかもね。」
ってな具合に盛り上がっていた。


冬が近づいてハウスが寒くなってきた時、
ハウスがガレージの奥に引っ込んでしまった。
老いた身体には外の風が厳しすぎるんだろう。
散歩にも出なくなったらしく、めっきり出会うことは無くなった。

春が来る前に、新居が出来て引越しをすることになった。
引っ越す前に村山君に会いたかったのだが
いままで飼い主とも話したことがなく、勝手に夫婦でファンになっていただけだったので
いきなり訪ねていくわけにも行かず、
その後ハウスもガレージの奥に引っ込んだまま。

結局そのまま会わずじまいで引っ越したっきりになった。
今頃村山君はいったいどうしているんだろう。
今でも宮崎台の坂道をあの「うねうね」を垂らして散歩できているだろうか。
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by dutra_shirt | 2005-09-19 05:44 | 日々徒然
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