スイカにまつわる話
夏である。
それも夏休みである。
いまでは1週間あまりとなってしまった夏休みだが
少年の頃は1ヵ月半もあったわけで、
よくそんなにやる事があったよな、と思ってしまう。

そんな少年の頃、私はスイカが大好物で
毎年、その季節になる前に市場に出始めるハウス栽培のスイカを
先駆けて母におねだりしてよく食べたもんだ。

そんなある年、食べたスイカの種を
いつも通りプププププーとやっていたのだが
まてよ、この種って栽培したらスイカ食い放題だな、と気付いた。




私は当時父の社宅の1階に住んでおり、
その社宅には、ちょうど私の家のリビングの窓の真下の位置に
1階の住民用の畑が設えてあった。
その畑にスイカの種を植えた私は、
いつもリビングからひょいと顔を出して、
スイカの生長具合を毎日毎日眺めていたもんだ。
早くスイカになれ、早くスイカになれ、と気を送りつつ。

スイカ好き少年の思いを込めたその種は
やがて芽が出て、ツルが出て、葉が繁り、
白く眩しい花が咲き、ついには小さなスイカの子供が出来た。

無数に出来たスイカの子供達をリビングから眺めてほくそえむ私。
だが、大きなスイカを育てるためには、成長の早い数個のスイカを除いて
捨ててしまわなければならないことを知る。
小さいながらも既にスイカの形を見せ始めた子供達を
泣く泣く間引き。

だが、その後間引して大きく育てたスイカのエリート達はみるみるうちに成長を遂げ、
遂にあのスイカの象徴「しましま模様」が出現する。

ああ、かつてこれ程までにイトオシイ
しましまがあっただろうか。

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しましまもだんだんと濃く、鮮明になってくる。
後何日で収穫か、と思われたある夏の夕暮れ。
社宅のリビングで夏休みの宿題に精を出す私に
小さな子供達の遊ぶ声が、BGMのようで心地いい。

短い夏を生き急ぐかのような蝉の声に混じって
縄跳びの縄の音やゴム飛びをする女の子達の声、
おままごとで遊ぶ小さな子供達。

「お父さんおかえりなさい」

 おままごとをして遊ぶ、まだ幼稚園へ通う近所の女の子だ。

「ただいま」

 その幼稚園の同級生の男の子。

「ご飯にしますか、お風呂にしますか」

 王道である。おままごとお決まりのセリフ。

「ご飯にしようかな」

 (お風呂って言われても困るよね。)

「お父さん。今日の夕飯はスイカよ」

 夕飯にスイカって・・・そりゃないよなって ス・・・スイカっ??!!


おままごとのビニールシートの上に
キレイに並べられたまだ小さなスイカの
小さいけれども鮮やかな切り口の、赤い色がきらきら輝いて見えた。

おままごとにしてはとっても豪華な夕食。
そりゃそうだろう。本物だもん。
(泣)
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by dutra_shirt | 2005-08-17 06:05 | おもろかった話
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